HarvestX株式会社

植物工場用ロボットで農業の未来を切り拓き安定した食糧供給に貢献する。植物工場での果実の全自動栽培を目的とした各種ロボットの研究開発を行っているHarvestX株式会社の市川様にお話しを伺いました。ロボットのアタッチメントと車輪部分に、3Dプリンターを利用する為に、DMM.makeにご相談頂きました。

プロフィール

植物工場用ロボットで農業の未来を切り拓き安定した食糧供給に貢献する為、果実の全自動栽培を目的としたロボットの研究開発を行っているHarvestX株式会社の市川様にお話しを伺いました。ロボットのアタッチメントと車輪部分に3Dプリンターを利用した事例です。

市川 友貴(いちかわ ゆうき)
HarvestX株式会社 代表取締役社長。
農業用組み込み機器や植物工場におけるFA設計経験などから植物工場の課題や可能性を認識し、HarvestX株式会社を創業。

川岸 孝輔(かわぎし こうすけ)
DMM.make 3Dプリント部門部長。メーカーで製品企画から外装設計、電子回路設計、コーディングとマルチエンジニアとして勤務し、数々の商品を世に送り出した経歴をもつ。3Dプリントを利用した設計製造に新たな可能性を感じDMMに入社しシニアエンジニアを務めた後にサービスデザインの統括責任者となる。

DMM.make 3Dプリント 筧 春輝(かけひ はるき)

筧 春輝(かけひ はるき)
DMM.make 3Dプリント事業部 チーフモデラー。 大学卒業後DMMに入社し、3Dプリントサービス発足初期よりメンバーとして携わる。 現在は3Dプリント技術のマルチエンジニアとして、各種3Dプリンターのオペレーションをはじめ、3Dプリントのコンサルティングや3Dデータ作成などの業務に従事。

ロボットによる完全自動栽培で安定生産・人材不足に貢献する

川岸:
いつもメールでやり取りさせて頂きありがとうございます。

市川様:
いつもいつも、ありがとうございます。
先日、リリースしたロボットの足回りはDMM.makeの3Dプリンター 出力サービスのナイロンを利用させて頂いております。

川岸:
ありがとうございます。

市川様:
以前は、アタッチメントを作る際も利用させて頂きましたね。

筧:
本日は、インタビューに応じて頂きありがとうございます。 早速ですが、インタビューを始めさせて頂きます。

— 御社がどのような事業展開をされているか、お聞かせください。

植物工場用ロボットで農業の未来を切り拓き安定した食糧供給に貢献する為、果実の全自動栽培を目的としたロボットの研究開発を行っているHarvestX株式会社の市川様にお話しを伺いました。ロボットのアタッチメントと車輪部分に3Dプリンターを利用した事例です。

市川様:
学生のプロジェクトからスタートし、2020年8月に法人として設立致しました。

事業内容としては、植物工場向けの果菜類の受粉と収穫を自動化するロボットの開発を行っております。

現在は、いちごに注目し受粉と収穫というこれまで人間の負担が大きかった作業を自動化するロボットの開発を進めています。

植物工場用ロボットで農業の未来を切り拓き安定した食糧供給に貢献する為、果実の全自動栽培を目的としたロボットの研究開発を行っているHarvestX株式会社の市川様にお話しを伺いました。ロボットのアタッチメントと車輪部分に3Dプリンターを利用した事例です。

川岸:
アームのようなモノが付いている部分が受粉作業を行う部分なのですね。

市川様:
そうですね。

弊社のミッションとしては、「ロボットによる完全自動栽培で安定生産・人材不足に貢献する」という事を掲げてプロジェクトを始めております。

こちらがPV( Promotion Video )になります。

HarvestX: Plant Pollinating & Harvesting Robots for Future Farming

植物工場用ロボットで農業の未来を切り拓き安定した食糧供給に貢献する為、果実の全自動栽培を目的としたロボットの研究開発を行っているHarvestX株式会社の市川様にお話しを伺いました。ロボットのアタッチメントと車輪部分に3Dプリンターを利用した事例です。
植物工場用ロボットで農業の未来を切り拓き安定した食糧供給に貢献する為、果実の全自動栽培を目的としたロボットの研究開発を行っているHarvestX株式会社の市川様にお話しを伺いました。ロボットのアタッチメントと車輪部分に3Dプリンターを利用した事例です。

最近は、レタスなどの「葉物」野菜は屋内での栽培が増えてきております。
コンビニエンスストアのサンドイッチなどにも使われてきています。

屋内での植物工場のメリットとして一番大きいのは、外部環境に左右されずに安定生産できる点です。

筧:
動画も非常にロボットの動きが滑らかですね。

筧:
持ち込みの前にも、出張してスキャンさせて頂いた時もありましたね。

市川様:
ただ、「果菜」の植物工場は様々な課題があり、現状あまり存在しておりません。

その中で、弊社が一番注力している果実がいちごです。

いちごを選んでいる理由は、一年中需要がありかつ単価が高い果物だからです。

いちご栽培のフェーズを大きく分けると3フェーズになり、「植え付け」「受粉」「収穫」になりますが、一番課題が大きいフェーズが「受粉」のフェーズです。

筧:
「受粉」のフェーズですか?

市川様:
一般的な果物や野菜は、ハウス内にミツバチを放し飼いして受粉をさせ実をつけさせているのです。

しかし、植物工場内では、太陽光が当たらず閉鎖的な狭い空間でミツバチがストレスを感じてしまい受粉せずそのまま死んでしまう為、ミツバチを飼育する事が難しいのです。

つまり植物工場内では、ミツバチを飼育できないので受粉させる手段がないのです。ここが課題で果菜類の工場が出来ていないという現状です。

川岸:
 いちごはハウス栽培をよく見かけるのですが、受粉させる作業はやはりミツバチなのでしょうか?

市川様:
そうですね。

毎年、農家様がミツバチを購入されて放し飼いする事で受粉させていますね。

川岸:
ハウスであれば太陽光も当たるので、ミツバチがストレスを感じにくいので受粉できるという事なのでしょうか?

市川様:
ミツバチは、太陽光がある方向を感じています。太陽光が無いと巣に戻れなくなったりする特性があります。

この辺りの話はマニアックでディープな話なのですが。(笑)

次に大きいのが、「収穫」フェーズでの課題ですね。

急に咳をしたり、頭を動かしたりします。舌の奥にセンサーを入れていますので、何か当たると嘔吐反射もします。

収穫の難易度を下げる為に、受粉に着目

市川様:
各社様の収穫ロボットは農園に入れる前提で作られています。

ただ、農園内でミツバチは飛んでいるのですが、ミツバチ自体は受粉する為に飛んでいるのではなく生きるために花に飛んで蜜を集めています。

そうすると、ミツバチは好き勝手に受粉するので、例えばいちごの場合は密集して果実が実ってしまいます。

密集して果実が実ってしまうと、物理的にロボットが入り込めなくなったり、画像検出での処理が難しいという問題があります。

川岸:
確かに、密集すると果実が重なって個体の画像検出が難しいですね。

市川様:
各社様の従来のロボットは、収穫に着目しこのような複雑な状態をどうやって攻略するか?というアプローチでした。しかし、弊社は収穫の難易度を下げる為に受粉に着目しています。

具体的には、今まで出来なかった受粉の制御が可能になり、収穫ロボットが収穫しやすい間隔で実る間隔を統一したり、花が咲いている時間で受粉のタイミングをずらし収穫するタイミング自体をずらす事も出来ます。

作っているモノとしましては、ミツバチの代わりに受粉を行うロボット・人の代わりに収穫を行うロボットでなるべく実に触れずに収穫します。

植物工場用ロボットで農業の未来を切り拓き安定した食糧供給に貢献する為、果実の全自動栽培を目的としたロボットの研究開発を行っているHarvestX株式会社の市川様にお話しを伺いました。ロボットのアタッチメントと車輪部分に3Dプリンターを利用した事例です。

あとは、ディープラーニングを使ったアルゴリズムで果実の成熟度を判定しています。

植物工場用ロボットで農業の未来を切り拓き安定した食糧供給に貢献する為、果実の全自動栽培を目的としたロボットの研究開発を行っているHarvestX株式会社の市川様にお話しを伺いました。ロボットのアタッチメントと車輪部分に3Dプリンターを利用した事例です。

筧:
御社は、着眼点の違った側面からアプローチされたのですね。

市川様:
DMM.makeの3Dプリンター 出力サービスでは、このロボットのアタッチメントをナイロンで出力しています。あとは、いちごの下に隠れている車輪もナイロンですね。

完全自動栽培、一切、ヒトの手が触れない状態で、果菜類の安定生産と品質の確約を実現

市川様:
全体的な事業としては、弊社はいちごの生産を行いたい方々に対して工場向けのツールのご提供をしています。

弊社のロボットを、植物工場にご導入して頂くことで安定した果菜類の生産が可能なり、需要に合わせて生産や外気に触れさせず食品加工工場に直結させる事で、コストを抑えられます。

最初は、果実の植物工場を創る事が目的になっているのですが、最終的には完全自動栽培、一切ヒトの手が触れない状態で果菜類の安定生産と品質の確約を実現したいと考えております。

植物工場用ロボットで農業の未来を切り拓き安定した食糧供給に貢献する為、果実の全自動栽培を目的としたロボットの研究開発を行っているHarvestX株式会社の市川様にお話しを伺いました。ロボットのアタッチメントと車輪部分に3Dプリンターを利用した事例です。

活動しているチームは、NHK 学生ロボコン2018にて優勝経験を持つメンバーなど、工学分野に精通したメンバーで開発しております。

川岸:
ありがとうございます。凄く理解できました。

以前お見せ頂いた時は、単純に水耕栽培と考えていたのですが完全に違いましたね。

受粉のシステムで、最終的には生産から食品加工工場までのシステムを創るためにやっていたのですね。

市川様:
以前のモノは、実験環境として用意していただけなので。(笑)

川岸:
植物工場はハウスで作るよりもコストがかかったりして、経営が上手くいかないイメージとしてあったのですが、果菜類のような単価が高いモノが作れたり完全自動化する事が出来たら、かなりメリットがあるのではと思いました。

受粉のコア技術として先行して取り組む

市川様:
現状、植物工場で黒字化できているのは1割~2割程度で、残りはトントンか赤字ですね。葉物だと体積当たりの単価が低くなったりしますし。

あと、ミツバチを飛ばしてやっている植物工場もあるのですが、折角、工場というヒトが管理出来る環境を作ったにも関わらず、ミツバチを外から持ってくる事によって、菌が付着していたり病害が発生してしまうリスクがあったりします。

そういった部分で、弊社のロボットをご利用頂く価値はあるのかなと思っております。

植物工場用ロボットで農業の未来を切り拓き安定した食糧供給に貢献する為、果実の全自動栽培を目的としたロボットの研究開発を行っているHarvestX株式会社の市川様にお話しを伺いました。ロボットのアタッチメントと車輪部分に3Dプリンターを利用した事例です。

川岸:
ミツバチを使わなくていい植物工場が運用できるのは、先進的で面白いですね。

市川様:
課題として、まずは果菜類の植物工場を実現する事なのですが、「ミツバチがいなくなっても、新しい受粉の手段があるよ。」という受粉のコア技術として先行して取り組めたら、今後、社会にとってもいい事なのかなと思ってやっています。

筧:
ご紹介、ありがとうございました。

— 最終製品はどのようなものでしょうか?

市川様:
ロボットのアタッチメントと車輪ですね。ナイロンで出力しました。

植物工場用ロボットで農業の未来を切り拓き安定した食糧供給に貢献する為、果実の全自動栽培を目的としたロボットの研究開発を行っているHarvestX株式会社の市川様にお話しを伺いました。ロボットのアタッチメントと車輪部分に3Dプリンターを利用した事例です。

筧:
車輪をナイロンで出力された理由は何でしょう?

市川様:
個人用のデスクトップタイプの3Dプリンターですと、使える素材が限られていて強度的に足りなかったりします。

大きな造形物になると、出力時間が掛かった後で失敗すると開発費的にもダメージがあります。(笑)



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