清原株式会社

『“つくる楽しみ、魅せるよろこび” を世界にお届けしています。』アパレル業界の専門商社として86年の歴史を積み重ね、扱うアイテムは60万点以上の清原株式会社 アパレル事業部の山本様、徳永様にお話しを伺いました。3Dプリンターを活用した試作品で意匠面の確認と機能性の検証を行い、実物でお客様にもお見せし、商品のご提案をしていく事例をご紹介します。

プロフィール

山本 道夫(やまもと みちお)
清原株式会社 東京店 アパレル事業部 商品部開発課https://www.kiyohara.co.jp/
商品開発課 課員長年、服飾資材の企画開発に従事。

徳永 紀(とくなが ゆうき)
清原株式会社 東京店 アパレル事業部 商品部開発課https://www.kiyohara.co.jp/
営業職を経て、MDとして商品開発課 課長に就任。

川岸 孝輔(かわぎし こうすけ)
DMM.make 3Dプリント部門部長。メーカーで製品企画から外装設計、電子回路設計、コーディングとマルチエンジニアとして勤務し、数々の商品を世に送り出した経歴をもつ。3Dプリントを利用した設計製造に新たな可能性を感じDMMに入社しシニアエンジニアを務めた後にサービスデザインの統括責任者となる。

DMM.make 3Dプリント 筧 春輝(かけひ はるき)

筧 春輝(かけひ はるき)
DMM.make 3Dプリント事業部 チーフモデラー。 大学卒業後DMMに入社し、3Dプリントサービス発足初期よりメンバーとして携わる。 現在は3Dプリント技術のマルチエンジニアとして、各種3Dプリンターのオペレーションをはじめ、3Dプリントのコンサルティングや3Dデータ作成などの業務に従事。

3Dプリンターで造形したシミュレーターロボットで小児医療教育に貢献

筧:
本日はお忙しい中、インタビューに応じて頂きありがとうございます。

山本様:
こちらこそ、どうぞよろしくお願い致します。

川岸:
出力された造形物ですが、検証目的でお作りされているのでしょうか?

山本様:
そうですね。デザインの確認と機能性の確認です。その両方の検証です。

川岸:
意匠面の確認と機能性の検証用途なのですね。

山本様:
弊社の業界は、金属の商品でしたら見本は作れるんですよ。ただ、樹脂成型等は見本が作れないんです。

川岸:
なるほど。特殊な見本のケースで3Dプリンターを活用されているのですね。

どのような事業展開をされているかお聞かせください。

アパレル事業で3Dプリンターを活用し、実物でお客様にも見本をお見せ出来る付加価値を付けた商品提案

山本様:
弊社は、主にアパレル事業、手芸用品などを取り扱うホビーライフ事業、生活雑貨を取り扱うライフスタイル事業、貿易事業を展開しています。
私はアパレル事業に所属しております。

アパレル事業で3Dプリンターを活用し、実物でお客様にも見本をお見せ出来る付加価値を付けた商品提案

アパレル業界はオリジナルティを求められますので、定番の商品以外にも別注も多いんです。アパレルはデザインが重視ですので、視覚的なオリジナルティが求められます。

アパレル事業で3Dプリンターを活用し、実物でお客様にも見本をお見せ出来る付加価値を付けた商品提案

試作の段階でDMM.makeの3Dプリンター 出力サービスを利用しているのですが、モノとして見て確認が出来る事がメリットですね。

筧:
デザイン評価や試作のタイミングで、3Dプリンターを使われているのですね。

山本様:
そうですね。

例えば、通販サイトの裁縫用のハサミなのですが、オリジナルで作りたいというご依頼がありました。

アパレル事業で3Dプリンターを活用し、実物でお客様にも見本をお見せ出来る付加価値を付けた商品提案

お客様には、最初は3D PDFにて立体的に見て頂きます。デザイン的な部分でお客様にご確認を頂いてから、DMM.makeの3Dプリンター 出力サービスに依頼しています。

その後、3Dプリンターで出力した造形物を再度お客様に見て頂いて問題無ければ、金型で製品を製作する流れになります。

アパレル事業で3Dプリンターを活用し、実物でお客様にも見本をお見せ出来る付加価値を付けた商品提案

3Dプリンターで出力した造形物は、最終にはどのように利用されていますか?

山本様:
例えば定番のバックル商品です。細さや厚みが異なる3種類があります。これを金型などで造形していくと型代が発生しますので、3Dプリンターで出力しました。出力後、企画のメンバーと実際に出力したモノで検討を行います。

▼3Dプリント▼                      ▼完成品▼

アパレル事業で3Dプリンターを活用し、実物でお客様にも見本をお見せ出来る付加価値を付けた商品提案

最終的には、ダイキャスト(ダイカスト)で金属造形します。

筧:
ダイキャストで作成される場合、金属の素材は何をお使いでしょうか?

山本様:
亜鉛ですね。

このような商品は、上下型(2面型)の簡単な型の商品です。上下型の型で作成するとコストが安く抑えられます。

複雑な形状になってくると、スライド型とか特殊な形になってきます。その場合は、型代が非常に高額になり生産性も悪くなってきます。

そのような理由から、出来る限り上下型(2面型)で型を作りたいので、型のシミュレーションや形状確認においては3Dプリンターの出力が役に立っていますね。

アパレル業界のデザインはこだわりが求められ、複数のパターンを検討・提案する必要がある。

筧:
3Dプリンターで出力したモノを見て、「この形状であれば、上下型で作れる」と検証・判断されているという事ですね?

山本様:
はい、そうです。

あと、こちらは3Dプリンターがアパレル業界でもっと利用出来るのでは?という展示ブースになります。

アパレル事業で3Dプリンターを活用し、実物でお客様にも見本をお見せ出来る付加価値を付けた商品提案

内容の一つに、樹脂製スナップ(リングゲンコ)の展示パネルがあります。スナップの10種類の型パターンを設計し、DMM.makeの3Dプリンター 出力サービスで1回で出力して頂きました。

このスナップの10種類のパターンの型を従来の工法で製作した場合は、かなりのコストがかかってしまいます。3Dプリンター は1回で様々な型が製作できる事が最大のメリットだと感じています。

山本様:
出力して厚みや形状の確認を出来ますからね。

パネルの中段には10種類の現物の写真を掲載しています。

アパレル事業で3Dプリンターを活用し、実物でお客様にも見本をお見せ出来る付加価値を付けた商品提案

このケースでは実物を検討・評価した結果、シンプルな形状に決定しています。この樹脂製スナップは、弊社の定番の商品として取り扱っています。

また、アパレル業界のデザインはこだわりが求められますので、複数のパターンを検討・提案する必要があります。

ただ1商品検討する際に、いくつもの型を作製するのは費用がかかり過ぎます。このようなケースで3Dプリンターは非常に役に立っていますね。

筧:
確かに現物で複数の案をお見せ出来るのは、3Dプリンターを利用する大きいメリットになりますね。

ちなみに、この樹脂製スナップはどこに使われるモノなのでしょうか?

山本様:
樹脂製スナップは軽いので、スポーツ関係で良く利用されますね。例えばジャンパーなどです。

筧:
留め具として利用されているのでしょうか?

山本様:
留め具ですね。

留め具は、ファスナーやボタン、ホックのような種類があります。

特に高齢化社会で介護が必要な人は、ボタンなどご自身で留められないですよね。なので、簡単に留められるような形状が求められます。

筧:
ワンタッチで留められるようなモノという事ですね。

あと、ベルトにファンのようなモノが装着されている造形物がありますが、こちらはどのようなモノでしょう?

山本様:
これは、展示ブース用に製作しました冷・温風機です。シロッコファンがついています。商品化する目的では製作はしていないですが。(笑)

この造形物を「製作する工程」が大切なんですよね。

アパレル事業で3Dプリンターを活用し、実物でお客様にも見本をお見せ出来る付加価値を付けた商品提案

こちらが、アイデア構想から設計構想を行い3Dプリンターで造形して検証しましょう、という流れの展示パネルになります。

このような複雑な造形物が出力出来ますし、全9パーツを1回で出力して頂いています。

このような造形工程を行って検証を実施するという工程の流れになりますね。

筧:
3Dプリンターを利用した造形工程の例なんですね。

山本様:
この造形物はシロッコファンが付いていますが、これは換気扇などで利用されるファンです。吸い込む力が強いんですよね。

実際に稼働してみて、十分な風力が出る事を確認できました。これは実際の商品ではないですが、高齢化社会で介護が必要な人が増えてきた際には、色々な商品が求められてきます。その為の3Dプリンターの利用検証例としては今後の商品開発に役立つと思います。

筧:
3Dプリンターで造形されたモノは、組み立ての部分や機能の部分で申し分は無かったでしょうか?

山本様:
申し分は無かった事は無いです。(笑)

筧:
 (笑)

山本様:
弊社では、ほとんどPA12とPA11、ナイロンを材料として使っています。

例えばスナップですが、留める場合、ある一定の抵抗を超えると、パチッと音が鳴り留まります。このレベルまでは、DMM.makeの3Dプリンター 出力サービスで可能だと感じています。ただ、強度などは難しい部分もありますね。

3Dプリンターで造形した製品を実際に利用検証し確認する

次に、こちらはマスクの内側に入れるワイヤーですね。マスクの内側の布が口に当たらないようになっています。口紅もとれませんし熱がこもったりもしません。

これは販売はしておりませんが。(笑)

アパレル事業で3Dプリンターを活用し、実物でお客様にも見本をお見せ出来る付加価値を付けた商品提案

筧:
なるほどー。マスクに膨らみを持たせるワイヤーなんですね。

山本様:
はい。マスクに高さと幅を持たせる為、持ち上げて空間を作る必要があります。その高さと幅を決める為に試作をしました。

筧:
まず、高さと幅をだけを決めるワイヤー部品を試作検証されたのですね。

山本様:
そうですね。最終的にはスナップで留めるように作ってあります。

ただ、実際に利用検証してましたが、仮にスナップが外れたら、小さいので口の中に入る可能性がある事が分かりました。

ですので、外れても問題無い形状に変更しました。

筧:
なるほど。

山本様:
実際に造形して小さかった事もあります。その時は、実物をもっと大きくしたりしましたので、大きさの検証に3Dプリンターは役立った事もありますね。

筧:
スナップの大きさは、特定の大きさではないと機能しないケースがあるのでしょうか?

山本様:
はい、そうです。ただ、表面の滑りが悪いのが難点ですね。バレル研磨は表面が滑らかになりますが、精度が悪くなりますね。

筧:
はい、そうです。ただ、表面の滑りが悪いのが難点ですね。バレル研磨は表面が滑らかになりますが、精度が悪くなりますね。

山本様:
その削り落とし部分があるので難点なんですよね。

筧:
最初から滑らかに出力出来たほうがいいという事ですね。

山本様:
それが出来るといいですね。

3Dプリンター導入前はイニシャルコストが多く発生していた。

— 3Dプリンター導入前は、試作を行う際、どのような工法で行っていたのでしょうか?

山本様:
小型の3Dプリンターは、弊社の関係工場で保有していたのですが、業務用としては使えなかったですね。

筧:
デスクトップ型のFDMのような3Dプリンターでしょうか?

山本様:
そうですね。スナップの機能を確認する事には向いてなかったですね。ただ、精密な3Dプリンターは高額なので、弊社では導入は難しいですね。

そこで価格など色々調査した結果、DMM.makeの3Dプリンター 出力サービスが、一番良かったですね。

徳永様:
補足すると、今まではCGベースで確認していたり3DPDFなど「絵」だけで確認していました。



この記事の続きは限定公開となります。
簡単なアンケートにお答えいただきパスワードを発行すると続きをお読みいただけます。