株式会社ATOUN

「フリーアビリティ社会の実現」。IAUD国際デザイン賞2020 作業機器部門 金賞・第8回ロボット大賞 サービス部門優秀賞を受賞され、パワードウェアをはじめ、働く人たちの体の負担を軽減する “着るロボット”の開発・普及に取り組むロボティクスファームの株式会社ATOUNの半沢様、矢田様にお話しを伺いました。マルチジェットフュージョン(Multi Jet Fusion)方式にてPA11・PA12を利用し、開発スピードを2~3倍に向上させた試作事例をご紹介致します。

プロフィール

“着るロボット”パワードウェアの開発スピードを3Dプリンターを活用し2~3倍に向上させた試作事例

矢田 崇宜(やだ たかよし)
株式会社ATOUN 製品開発部 リーダー
腰アシスト用パワードウェアATOUN
MODEL Yの開発に携わり、追加機能
の腕アシスト + koteの開発を担当。

“着るロボット”パワードウェアの開発スピードを3Dプリンターを活用し2~3倍に向上させた試作事例

半沢 文也(はんざわ ふみや)
株式会社ATOUN 製品開発部 技師
歩行支援用パワードウェアHIMICO
の開発を担当。

川岸 孝輔(かわぎし こうすけ)
DMM.make 3Dプリント部門部長。メーカーで製品企画から外装設計、電子回路設計、コーディングとマルチエンジニアとして勤務し、数々の商品を世に送り出した経歴をもつ。3Dプリントを利用した設計製造に新たな可能性を感じDMMに入社しシニアエンジニアを務めた後にサービスデザインの統括責任者となる。

DMM.make 3Dプリント 筧 春輝(かけひ はるき)

筧 春輝(かけひ はるき)
DMM.make 3Dプリント事業部 チーフモデラー。 大学卒業後DMMに入社し、3Dプリントサービス発足初期よりメンバーとして携わる。 現在は3Dプリント技術のマルチエンジニアとして、各種3Dプリンターのオペレーションをはじめ、3Dプリントのコンサルティングや3Dデータ作成などの業務に従事。

パワードウェアでめざすフリーアビリティ社会

川岸:
本日はお忙しい中、インタビュー承諾頂きまして大変ありがとうございます。担当させて頂きます3Dプリント事業部長の川岸と申します。

筧:
同じく3Dプリント事業部の筧と申します。

半沢様:
私が技術開発部でHIMICOを開発している半沢と申します。

“着るロボット”パワードウェアの開発スピードを3Dプリンターを活用し2~3倍に向上させた試作事例

矢田様:
私がATOUN MDOEL Y + koteを開発している矢田と申します。

“着るロボット”パワードウェアの開発スピードを3Dプリンターを活用し2~3倍に向上させた試作事例

川岸:
いろいろ拝見させて頂きましたが当社のサービスをご利用頂いているのは、今回の開発のATOUN MDOEL Y + koteでよろしかったでしょうか?

半沢様:
ATOUN MDOEL Y + koteとHIMICOどちらにも使っています。

川岸:
そうなんですね。ありがとうございます。

そのあたりの詳細などお伺いできればと思いますので宜しくお願いします。        
インタビューは筧の方がメインでやらせて頂きますので、これから以降宜しくお願いします。

筧:
早速インタビューの質問に進ませて頂きます。

— 御社が、どのような事業展開をされているかお聞かせください。

“着るロボット”パワードウェアの開発スピードを3Dプリンターを活用し2~3倍に向上させた試作事例

半沢様:
ATOUNは着るロボット「パワードウェア」を開発・製造・販売しています。人が身に着けることで腰・腕・歩行をアシストする機器です。

このパワードウェアを使うことで、自分の能力を活かしつつ、生来の身体的能力差にかかわらず、世の中の人がもっと自由に動き回れる世界、これを我々は「フリーアビリティ社会」と呼んでいますが、そういった世界を目指しています。

なので社名ATOUNは、人間を表す「A(阿、あ)」と、ロボットを表す「UN(吽、うん)」が調和する、「あうんの呼吸」にちなんだ社名になっています。

“着るロボット”パワードウェアの開発スピードを3Dプリンターを活用し2~3倍に向上させた試作事例

“着るロボット”パワードウェアの開発スピードを3Dプリンターを活用し2~3倍に向上させた試作事例

現在は腰をアシストするATOUN MODELE Yを量産しており、主に作業支援用途で使っていただいています。2021年1月からは腰と腕をアシストするATOUN MODEL Y + koteも量産しています。

“着るロボット”パワードウェアの開発スピードを3Dプリンターを活用し2~3倍に向上させた試作事例

筧:
物流の現場などで使用されているのでしょうか?

半沢様:
そうですね。

倉庫での荷役作業や工場での原材料投入や製品の搬出入で使用していただいています。また空港での手荷物搭載などのグランドハンドリングの業務ではスーツケースなどの荷物を一日何百個と運ぶ作業があり、その際の体の負担を軽減するために弊社の機器を導入いただいております。

“着るロボット”パワードウェアの開発スピードを3Dプリンターを活用し2~3倍に向上させた試作事例

3Dプリンターを試作フェーズで使う

— どういった部分で3Dプリントが利用されているかお聞かせください。

筧:
最終製品としては、そういったパワードウェアを開発されているということなんですね。

3Dプリントがどういったところで使われているのかをお聞きしたいのですが、試作の段階で使用されているんでしょうか?

半沢様:
そうですね。

基本的には試作、検討するときに使っています。やっぱり単純に金属を加工、削り出しを行うよりも早いですしコストも安いので、試作の段階で使わせてもらっています。

“着るロボット”パワードウェアの開発スピードを3Dプリンターを活用し2~3倍に向上させた試作事例

筧:
なるほど、そうなんですね。
最終製品としての素材はどういったモノで作られているのでしょうか?

半沢様:
基本的には樹脂系で型を起こして作っていますね。

筧:
射出成型ということですか?

半沢様:
はい。

川岸:
なるほど。
実際に販売数量というのはどれくらいになるのでしょうか?

半沢様:
MODELE Yで累計800台以上出荷しています。

“着るロボット”パワードウェアの開発スピードを3Dプリンターを活用し2~3倍に向上させた試作事例

川岸:
ありがとうございます。今、我々のサービスを使って頂いて作った2商品に関しては、どれくらいの出荷数を見込んでいるのでしょうか?

半沢様:
Yの開発段階では、まだ御社の3Dプリントサービスを使用していなかったんですね。2021年1月に販売開始の+koteという追加ユニット部分が御社のサービスを使って試作を行ったモノになります。

“着るロボット”パワードウェアの開発スピードを3Dプリンターを活用し2~3倍に向上させた試作事例
※【新製品】「ATOUN MODEL Y + kote」
2021年1月発売開始

腰をたすける「ATOUN MODEL Y」、腰と腕をたすける「ATOUN MODEL Y + kote」が、体の負担を軽減し、作業をお手伝いします。

川岸:
見込みとしてはだいたいどれくらい販売見込みを立てているのでしょうか?

矢田様:
Yシリーズとして年間で1,000台を目指しています。

川岸:
そうなんですね。ありがとうございます。

ちなみに3Dプリンターで使った形で繰り返し試作されているということだったのですが、今3Dプリンターを使った最終製品の利用を検討されている会社様が多い状況なのです。

そこで御社が3Dプリンターを使って、最終製品ではなく繰り返しの試作までしか回すことができなかった大きな要因があれば、その点についてお聞かせ頂けないでしょうか?



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