3Dプリンターで目に見えない時間を形象化し、実空間に展開する。アーティストの後藤 映則様に3Dプリンターを利用した作品の事例をご紹介頂きました。

後藤 映則 ( AKINORI GOTO )​

https://www.akinorigoto.com/

プロフィール

3Dプリンターで目に見えない時間を形象化し、実空間に展開する。アーティストの後藤 映則様に3Dプリンターを利用した作品の事例をご紹介頂きました。
Photo by Bunpei Kimura

後藤 映則 ( AKINORI GOTO )​
1984年岐阜県生まれ。アーティスト、武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科専任講師。古くから存在する手法やメディアと現代のテクノロジーを掛け合わせ、目に見えない事象や関係を捉える造形制作やインスタレーションを行う。近年の主な展覧会に、2020年「高松コンテンポラリーアート・アニュアル vol.09 時どきどき想像」高松市美術館(香川)、2019年「オープン・スペース 2019 別の見方で」ICC(東京)、2019年「Ars Electronica Festival 2019」POST CITY(リンツ・オーストリア)など。

川岸 孝輔(かわぎし こうすけ)
DMM.make 3Dプリント部門部長。メーカーで製品企画から外装設計、電子回路設計、コーディングとマルチエンジニアとして勤務し、数々の商品を世に送り出した経歴をもつ。3Dプリントを利用した設計製造に新たな可能性を感じDMMに入社しシニアエンジニアを務めた後にサービスデザインの統括責任者となる。

DMM.make3Dプリント事業部 村上

村上亜香子(むらかみ あかね)
DMM.make
DMMに入社後、製品企画とサービス企画の両面を担当し、現在はアライアンスパートナーとの仕組みづくりにも注力している。立ち上げたサービスの中には3Dニットマスクや.make qualiaなどがある。

動きと強い関係にある時間。それを形に。

川岸:
どうも、ご無沙汰しております。以前、話をさせて頂いた時には、まだ大学で講師をやられる前だったと思うんで、だいぶ時間が経っているかなと思いますけど。

後藤様:
そうですよね。もう2年ぐらいですかね。

川岸:
最近、調子はどうですか?

後藤様:
やはり新型コロナの影響を大きく受けてしまい、海外の展示関係は軒並み中止になってしまいましたね・・・。色々やる予定だったの残念ではありますが、やれることをやっていこうと思ってます。大学では、対面での授業が難しくなった時期にオンラインでの授業対応を話し合ったり、考えたりしてました。あとは、地元の岐阜の制作拠点を整理したりなどですかね。

川岸:
ですよね。では、ここからインタビューという格好にさせて頂ければと思います。

後藤様:
はい、よろしくお願いします。

川岸:
色々と作品を作って頂いていて、どういう使い方をしているかとかをざっくばらんにお聞きできたらなと思っています。

後藤様:
なるほど、分かりました。

川岸:
宜しくお願いします。
まず、後藤様がどういったことをされているかという事をお聞かせ頂けますか?

— どのような活動をされているかお聞かせください。

後藤様:
今は、作家として作品を作っているのと同時に、大学で専任の教員をやっています。大学はまだ2年目なのですが、自分自身もいろいろと学びながら授業をしています。

展示は、コロナ前は海外なども結構あったので、ヨーロッパ中心に年に何回か展示に行っていました。今は海外に行けないので国内中心という感じですね。海外に作品だけ送って、リモートで組み立て展示する案件もあったりはします。

3Dプリンターで目に見えない時間を形象化し、実空間に展開する。アーティストの後藤 映則様に3Dプリンターを利用した作品の事例をご紹介頂きました。
©︎AKINORI GOTO

川岸:
今、日本国内でも、やっぱりコロナの影響があるじゃないですか。国内での作品の展示に影響が出たりしていますか?

後藤様:
そうですね、例えば入場制限があったり、そもそも外出自粛で人があまり来られないとか。やっぱり展示したら来てほしいのですが、それを積極的に「ぜひ来てください!」とは宣伝しにくいような・・・。

川岸:
自粛、自粛で?

後藤様:
気軽に来てって言えない、なんとも難しい状況だなという感じはありますね。

川岸:
後藤様の作品は光が動く、時間と光との融合みたいなところがあって、映像に残しやすいというか。映像で見て頂くモノ、ヒト達とかが、映像に残ったモノだけでも楽しめるモノが結構多いと思うんですよね。

3Dプリンターで目に見えない時間を形象化し、実空間に展開する。アーティストの後藤 映則様に3Dプリンターを利用した作品の事例をご紹介頂きました。
©︎AKINORI GOTO

だから、そういう面では普通の絵画とかよりも、後藤さんの作品は見てもらいやすいモノではあるのかなと思っています。

後藤様:
そうですね。確かに映像など、オンラインでも鑑賞できるとは思います。

でも、やっぱり実物は、映像とはかなり違う印象だったり、空間を伴うというか、身体性を伴う体験を意識している部分もあったりするので。そういう意味で、実際に来てもらえると、いいなとは思いますね。

そもそも、昔は画面の中で完結する表現、映像などをやっていたんですけど、それをどうにかして画面の中から取り出して、実世界で展開できないかと考えてました。

その時に、まさに3Dプリンターというものを使用すれば、自分のやりたいことを展開出来るかもしれないと思って、それで色々お願いしていたという経緯になりますね。

川岸:
なるほど。

あと、せっかく画面の中の世界から物理の世界にブリッジ出来るようになったのに、またCGの世界に戻っちゃったみたいな事が、コロナの影響であったりしますか?

後藤様:
オンライン展開のお話もあったりして、どのような形式で、どのような可能性があるかは考えたりしました。これまでは、オンラインだけで完結というのは想像していなかったですが、周りを見ていても需要は増えてきている感じはしますね。

川岸:
VR(Virtual Reality/人工現実感/仮想現実)やAR(Augmented Reality/拡張現実感/強化現実/増強現実)など、CG上の作品として残す事が出来るのであれば、物理とVRとか、モノで作ったモノとARの掛け合わせみたいなモノが、今後、後藤様の作品の中には出てくるかもしれないという事なのですね。

後藤様:
そうですね。まだそこまでは考えてはいないですけど、今後の展開の一つとして可能性がありそうだなという感じはしますね。

— 3Dプリンター導入前はどのような作品を作られていましたか?

川岸:
実際に3Dプリンターを使われる前に、映像作品を作られていたと思うのですが、物理的な作品は作っていなかったのですか?

後藤様:
コマ撮りの映像作品なども作っていましたが、先ほども少しお話した通り、それをいかに取り出すか、3次元、実世界で展開するような事を考えていたので、そういう意味で物理的、身体的な体験をする作品は作っていましたね。

川岸:
なるほど。例えばどのようなものでしょうか?

後藤様:
そうですね。学生時代に作った作品なのですが、説明が凄く難しいんですけど。(笑)

映像が空間に浮かんで見えるような仕組み、デバイスを自分で構成して、インタラクティブに操作が出来る、映像表現の拡張装置のような。寝転がって鑑賞するものでした。

そのような作品をインスタレーションとして作っていた事があります。

川岸:
今、作られている「toki-」にまつわるシリーズの作品は、どうしてあの作品群をどんどん作っていこうという考えになったんですか?

3Dプリンターで目に見えない時間を形象化し、実空間に展開する。アーティストの後藤 映則様に3Dプリンターを利用した作品の事例をご紹介頂きました。
©︎AKINORI GOTO
https://www.akinorigoto.com/toki-walk

動きと時間の関係を起点に生まれた作品。

後藤様:
元々、映像が好きだったりするのも、「動く」という事がすごく気になるというか動くって何だろうなという事はずっと考えていました。強い関係にあるのは何だろうと考えた時に「時間」というものがあって。

時間そのものは目に見えないですよね。人間が生み出した概念であるとか、存在しないとか。いろいろな考えがありますが、まずは自分なりの方法で捉えてみて、そこから分かることや、見えてくることがあるのではないかと。その時に3Dプリントという技術に注目して、動きから部分的に時間というものをプリントできるんじゃないかと考えました。

それでいろいろ展開しているという感じです。中には3Dプリンターを敢えて使用しない作品もあったりしますね。まだ完結している訳ではなく、今も考えたり手を動かしたりしながら探求しています。

— DMM.makeの3Dプリンター 出力サービスをご利用して頂き、いかがでしょうか?

川岸:
ありがとうございます。DMM.makeの3Dプリンター 出力サービスと他のサービスと比較した事はありますか?

後藤様:
実は、他社様も、結構使わせては頂いていたのですよ。(笑)

川岸:
なるほど、なるほど。(笑)

スピードとクオリティが違う3Dプリント出力

後藤様:
やっぱり、DMM.makeの3Dプリンター 出力サービスは、なんといってもプリントプロセスやサポート関係がすごくしっかりされていますね。例えばデータの修正とかは僕だけじゃ絶対出来ないんですけど、それをやって頂いたりなど。また、海外にプリントをお願いしたこともあるんですけど、同じデータなはずなのに、少し精度が低かった事があります。

川岸:
そうなんですね。

後藤様:
同じ機械なのかな?プロセスが違うのか、ちょっとわからないですけど。比べたら、DMM.makeの3Dプリンター出力サービスの方が、高精細で高品質だったという事がありました。

川岸:
ありがとうございます。

後藤様:
その時は、プリントする物量が増えてしまい・・・。DMM.makeの3Dプリンター出力サービスのだと、大体3分の2位いけたんですけど、残りの3分の1がどうしても間に合わなくて、分割して海外にお願いして、届いたら・・・・・・・少し形状が歪んでました。(笑)

川岸:
装置は同じなんですよね。どっちもドイツのメーカーの装置を使っていて、やている事そのものは変わらないはずなんですけど。

恐らくデータの取り扱い方だったり、日本人特有の気質で、製造工程でしっかりケアしていたりとか。

後藤様:
そうですね。そのケアの部分の違いもあるかもしれません。届いたときもDMM.makeの3Dプリンター出力サービスの方がしっかりと梱包されている印象でした。

ちゃんと大事にしてくれている意識があって。そういう事は作り手側によく伝わってきますね。

川岸:
大事ですね。でも、後藤様の作品はフレームで出来ているモノなので、大事に梱包されていなかったら、結構きつくないですか?

村上:
国を渡って来るのに・・・。(笑)

川岸:
海外から送られてくるから。(笑)

後藤様:
(笑)。

そうですね。だから、その辺に違いを感じたのと、あとは使用出来る素材が圧倒的に多いですよね。

実験的な素材であったりとか、意外な素材だったりとか、逆にこれとこれの違いは何だろうって、こっちが疑問に思うぐらいディティール細かくサービスを展開しているというか。

選択肢が多くて、作り手としてはとても有り難いですね。

川岸:
ありがとうございます。

後藤様:
あと、スピードですね。お願いしてから出来るまでのスピードが早くて大変助かります。国内の他のプリントサービスにもお願いしたことがあるのですが、DMM.makeの3Dプリンター 出力サービスは、それの半分とか、早ければその3分の1位で対応頂けていたので、それは本当に助かります。

川岸:
ありがとうございます。

しっかり調整したり、急ぎの案件を営業コンサルに該当する人間が段取りを組みながら、組み替えて早めに出品が出来るような態勢を整えたりとかを、割と、きめ細やかにやっています。

後藤様:
なるほどですね。

僕は展示が決まって締め切りギリギリまで粘りたいので、そういう人にとっても大きなメリットを感じます。

川岸:
制作過程で3Dプリンターのような製造環境が整ったから、今の作品が生まれてきたというところが、モノづくりの背景としてあるじゃないですか。

後藤様:
はい。

— 3Dプリントサービスの導入のきっかけは、なんでしょうか?

川岸:
そういった中で、一番最初にどういうプリントサービスを使おうとか、どうやって作ろうという風なアプローチをされたのでしょうか? 

例えば、一番最初のまだDMMが出ていなかった頃とか、海外のビューローを使ってみたとか。あと、家にあるようなプリンターを使ってみたとか、あると思うのですが。

後藤様:
確か、最初は普通にWebサイトからDMM.makeの3Dプリンター 出力サービスへ出力の発注した気がしますね?

その時はアクリルで出力して、素材がまだあまりない時期でした。

それまでは針金とか、手作業で作っていたんですけど、大きなミスをしてしまって。3Dプリントでデータ通りに作れば、失敗は起こりにくいかなと思って。それが5、6年前ですね。

川岸:
そうですね、2013年スタートなのですけど、しっかり認知され始めたのは、そのぐらいからかなと思いますね。

後藤様:
ノズルから出すインクジェット方式だと、自分の作品は作れないなというふうに思ったので。

川岸:
それはFDM (熱溶解積層方式)ですかね?

DMM.make 3Dプリントサービスを活用する決断された理由はなんでしょうか?

後藤様:
そうですね。今では安く販売されている3Dプリンターだと思います。そのタイプはサポート材などの問題から無理そうだなと。

色々ネットで調べたら、国内では既に一番大きい規模で、3Dプリント事業を展開されたと思うので。

ちなみに、確か当時はとても出力サービスが安かったですよね・・・?

川岸:
そうなんですね。ありがとうございます。

実は、あの頃、後藤様から、どうにか安くできないかみたいなご相談受けたのが・・・。

後藤様:
あれは大変なプロジェクトでした・・・。(笑)

3Dプリンターで目に見えない時間を形象化し、実空間に展開する。アーティストの後藤 映則様に3Dプリンターを利用した作品の事例をご紹介頂きました。
©︎AKINORI GOTO

アメリカにサウス・バイ・サウス・ウエスト(SXSW)というイベントがありまして、2017年からアート作品を展示するART PROGRAMが始まったんですね。公募で世界から5組の選ばれるのですが、運よく採用してもらえました。制作費も出ましたね。

※SXSW

毎年3月にアメリカ合衆国テキサス州オースティンで行なわれる、音楽祭・映画祭・インタラクティブフェスティバルなどを組み合わせた大規模イベント。一般的な音楽フェスティバルと異なり、業界人向けの見本市という側面も持つイベント。

当時は、3Dプリントが今よりかなり安かったから、全部プリントして、かなりデカい作品を提案したら事務局から、いいね!これでいこう!と盛り上がりました。

それで、データも作っていざ発注という絶妙なタイミングで、急にプリント費が20倍近くに跳ね上がったんですね。見積額が表示されたパソコンの前で震え上がりました。

事務局から出る制作費を20倍ほど超えており、何コレ!?みたいな感じになりましたね。(笑)

こりゃまずい…!と思ってFacebookでDMM.makeに知り合いがいそうな人にメッセージをたくさん送って、どうにかして繋げてくれませんかみたいな話をしたら川岸さんに繋げて頂いて。

その時、直接説明に行きましたよね。

川岸:
はい、来て頂きました。

当時、急激に値上げたというか、小さなモノを作ると安くできるようにしたんですけど、大きなモノを作るときに急激に値上がるような価格ロジックに変えたんですよね。

3Dプリンターはあまり大きいモノを作る事が得意ではなくて、小さいモノをたくさん作るのは比較的得意なんですけど。そういうことがある程度わかって来た時期だったんですよ。

大物を作った時に埋められちゃう空間に対しても費用を付けるということが、世界中のサービスビューローも同時に展開している状況だったので。

後藤様:
そうなんですよ。びっくりしたんですけど海外の会社も含め、世界的に急に高くなって・・・。(笑)

ちょうどその時期からお世話になっているという感じですね。

表現の幅が広がったり作りやすい環境を整える

川岸:
そのタイミングでご相談頂いて、やっぱりアーティスト様が作品を作る上で、大きなモノを作りたいとか、予算も限られているとか。そういう状況がある中で、必ずしも大きなお金にならなかったとしてもDMMと一緒に仕事をしているということを発信して頂けるだけで価値があるような方々もいるよねという話をしたんですよね。

実は、その後でアーティスト様とか、クリエイター様に対するスペシャルプライスオファーみたいな事を今もサービス化していて、積極的にアナウンスはしてないんですけれど、どうにかならないかというご相談を頂いた時とか、あと、発信の許可を得られるような時には得値を出していたりとかするんですけど。

実は、後藤様にご相談頂いたことが契機になっています。(笑)

後藤様:
え、本当ですか?

川岸:
そうです。なので、そのプログラムが組まれたのは、後藤様のお陰と言ってもいいと思います。

後藤様:
なんと、それは知りませんでした。(笑)

川岸:
だから今、使って頂いている多くのアーティスト様、デザイナー様とか、スペシャルプライスでオファーしているんですけれど、アーティスト様でDMM使っているよ、と言う人がいたら、「俺のお陰だ」と言ってもいいと思いますよ。(笑)

後藤様:
そうなんですね?(笑)

川岸:
そうしてください。(笑)

後藤様:
そういう事に繋がったのは、いいですね。(笑)

川岸:
結局、3Dプリンターもツールなので、アーティスト様とかデザイナー様の表現の幅が広がったり、作りやすい環境が整えられるというのは、これから世の中を良くしていくに当たっても必要な事なんじゃないかなと思うんですよね。

出来る限りご協力出来るというのは、価値のある事なんじゃないかなと思っています。

後藤様:
そうですね。だいぶ、有り難いです。逆にDMM.makeの3Dプリンター 出力サービスが無くなったら、僕はまずいですからね。そこは、どうぞ宜しくお願いします。(笑)

川岸:
なんとかします。頑張ります。(笑)

後藤様:
一般的にこのような関係を構築するのは、なかなか難しそうな気がします。どうしても企業である以上コスト重視というか、売り上げ重視になって「赤字だから、ちょっと難しい」など…。

あと、海外になると、物理的な距離も離れちゃうし、言語の関係で意思疎通ができない心配がありますしね。

その辺の相談が出来たりとか、逆にこういう素材がありますよとか、提案してくれたりするじゃないですか。

国内でそういうことを話せる人がいるというのは、制作の面でも、精神的な面でも、有り難いんですよね。

川岸:
他に国内のサービスはご相談されたことはあるんですか?

後藤様:
国内の会社にもお願いしとことは何度かありますが、プリンターが突然壊れて出力ができなくなったり、素材の相談までは難しかったりしました・・・。

川岸:
その時は、材料は何を使われたんですか?

後藤様:
ナイロンです。小さいモノをナイロンで出力依頼したのですが、予定日に間に合わなかったこともあります…。僕もギリギリまで攻めすぎましたが。(笑)

川岸:
今、即納系のサービスもやっていたりするんですよ。

3Dプリンターで目に見えない時間を形象化し、実空間に展開する。アーティストの後藤 映則様に3Dプリンターを利用した作品の事例をご紹介頂きました。

後藤様の所までお届けするのに3~5日でお届けするプランなんですよ。土日にまたがってしまうと、日曜に工場が止まっている事もあって、土曜までに注文を頂ければ、その翌月曜か火曜には配送できるんですけど。

土曜の夜、もう閉まっちゃった後に注文が来た時のバッファの為に、3~5日という言い方をしているんですよね。

なので、普通にワーキングデイのタイミングで注文頂ければ、3日でお納め出来るかなと思います。

後藤様:
あ、そうなのですか?いい事聞きましたね!

川岸:
もし、どうしても急に必要ということがあったら、ご相談頂ければ。

村上:
大きさは決まっているんですけど。(笑)

川岸:
大きさは限界ありますよ。

後藤様:
そうですよね。僕もギリギリすぎると胃が痛くなるので・・・。(笑)

川岸:
やめた方がいいです。(笑)

粉末焼結系の欠点というか、特徴でもあるんですけど、造形したら造形して終わりじゃないんですよね。

後藤様:
掃除とか、エアーで拭かないといけないんですよね?

川岸:
そうです。それと、炉で焼いているので、高温層になっていて。炉の温度が170℃ぐらいあるんですよ。

なので、粉末は取り出したタイミングだと、豆腐のようなブロックで出てくるんですけど。粉末そのものが170℃ぐらいの温度になっているんですよね。

後藤様:
そんなに熱いんですか?簡単には取り出せない感じなんですね。

川岸:
そうです。急に手を突っ込んで分けてもいいんですけど、温度が高い状態なので、空気に触れた所からどんどんと変形しちゃうんですよね。

ですので、170℃ぐらいの温度から40℃ぐらいまで自然冷却して下げないといけないんですよ。本当に、ジワジワと1℃ずつ下げていって、40~50℃になった時に、初めて封開けが出来るんですよね。

なので、めちゃくちゃ大きいサイズのモノだと、中心部分の温度が170℃から40℃ぐらいに低下するまでにすごく時間が掛かっちゃうので、大きければ大きい程、開封するのに時間が掛かっちゃいます。

後藤様:
なるほどね。やっぱりそうなんですね。

川岸:
はい。なので、3DプリンターのFDMや光造形を見て頂いている人は、なんで1週間とか掛かるんだと仰られるのですが、そういった理由からなんです。

大体、大きなモノで高さが50cmくらいになると、造形だけで2~2.5日間ぐらい掛かるんですよね。その後で、自然冷却して中心まで冷やすのに、やっぱり2.5~3日間ぐらい掛かるんですよ。

そこから封開けをしないと変形しちゃうので、そこまで自然冷却をした後で、封開けをして。そこから、ブラスト処理とか、サポートを取ったりする作業に入るので、実質、手作業に入れるまでに、大きなモノだと最短でも4~5日掛かっちゃいます。6日後に処理が終わって、お客様の手元に届けられるのは1週間後ということが、実情かなと思います。

後藤様:
なるほどですね、確かに。

川岸:
最近使って頂いているMJF(マルチジェットフュージョン方式)と呼ばれている機械の方は、造形速度が大体2倍程度速いので、造形が終わる時間も早いんですよね。

3Dプリンターで目に見えない時間を形象化し、実空間に展開する。アーティストの後藤 映則様に3Dプリンターを利用した作品の事例をご紹介頂きました。

クーリングも、自然冷却プラス高速冷却の併用になっているので、数時間置いておいて冷却して、粗熱が取れた後から強制冷却みたいな事をやるんですよ。なので、比較的早く取り出せて、早く出荷できるモノになっています。

技術が進んでくると、今話しているような事も段々と解決していったりして。

後藤様:
スピードが上がると、やり直しが利くのでかなり有り難いです。今はCGでシミュレーションしてからプリントをお願いしていますが、それでも上手くいかないときがあるので。

そういえば最近サイトを見て気になったのですが、すごく大きいモノを出せるプリンターが今あるじゃないですか。

川岸:
あります、あります。

後藤様:
あれは、僕がお願いするようなモノは難しいんですか?

川岸:
線が細い、細かいモノを作ったりとかは、得意じゃないんですよね。

あと、使って頂いている粉末焼結だと、細かく出来る上に中空で作れるので、中空で作れるプリンターって意外に少ないんですよね。

後藤様:
なるほどですね・・・。それでは粉末焼結式で将来的に大きくならないんですかね?

川岸:
レーザー焼結は、レーザーユニットを何機も搭載する形で大きくしているんですよ。

なので、昔よく使って頂いたSLSの粉末焼結は、レーザーユニットを2機搭載しているんですけど。

レーザーユニットが4機、6機、8機とか入っているとか、段々と同時に描画できるような一つのレーザーユニットが、幾つかのレーザーユニットと分担しながら作業するみたいなモノが出てくるかなと思います。

今、4機まではあるんですよね。

後藤様:
それに伴って、プリント出来るサイズ自体も大きくなるんですか?

川岸:
はい。大きくなると思います。今、2機なので60cm×50cm×30cmとか。

後藤様:
それが最大サイズという事ですね。

川岸:
レーザーユニットが4機になったら、60cm×50cm×60cmにはなるんじゃないですかね。

後藤様:
それは導入予定があるんですか?

川岸:
来年辺りにまた何か導入しようかという話をしていて、大型のSLSを入れるか、もしくはジェットフュージョンを増設するかという話をしています。

後藤様:
そうなんですね、いい事を聞きました。

川岸:
材料そのものはどんどん増やしていきたいと考えていますし。

あと、産業用途で使われているサービスなので、産業業界から要望を受けているようなモノを増設していくという状況ですね。

後藤様:
プリントサイズが大きくなったり、使用できる素材が増えると、作り手側も表現の幅が広げられるというか。そこに影響される部分もあったりするので、拡張されていくと有り難いですね。高精細アクリルもあって、かなり細い所まで作れたりするじゃないですか。あれもすごく助かっています。小さいモノをお願いした時に、先端が0.4mmぐらいをギリギリプリント出来てきたので。

3Dプリンターで目に見えない時間を形象化し、実空間に展開する。アーティストの後藤 映則様に3Dプリンターを利用した作品の事例をご紹介頂きました。
©︎AKINORI GOTO

川岸:
いやあ、めちゃめちゃ怖かったですよ。(笑)

後藤様:
届いたとき、何重にも綺麗にラップされていて・・・。(笑)

かなり細く出来たりとか、大きく出来たりとか、選択肢が増えると表現の幅も大きく広がるので、ワクワクしますよね。

川岸:
ちょっとずつでも増やしていくので。もちろん、ドカンとサービスが拡張出来そうな時にはドカンと増やす事になると思うのですが。

後藤様:
僕みたいに、このようなアート関係で使う人はどれぐらいいるんですか?

川岸:
意外にいらっしゃいますよ。インタビューさせて頂いた中でも、アーティストの名和 晃平(なわ こうへい)様とか、他にも結構ご相談頂くことが多いですね。

後藤様:
そうなんですね。

今では美大の学生が家用に3Dプリンターを持っていたりするので、そういう意味で使われ方は広がりましたよね。

川岸:
弊社の社員の中でも、サービス使わないで自分でプリンター買っている社員もいます。小さなモノを作るためのプリンターなんですけど、昔と比べて、精度も変わってきていて。

後藤様:
いやー、すごい精度上がっていますよね。スピードも上がったし、価格もすごく下がったじゃないですか。

川岸:
はい。安くなりましたね。

後藤様:
3~4万円で買えるプリンターもあるので、学生も買っていたりしましたね。

3Dプリンターレンタルや表面処理、後加工も可能

川岸:
はい。そういうモノのチラホラ増えてきているんで、それの販売とか、レンタルっていうサービスもちょっとずつ拡張していっているんですよね。

後藤様:
そういうサービスもやっているんですね。レンタルもされているのですか?

川岸:
はい。

後藤様:
へえー。それは、知らなかったですね。

川岸:
そうなんです。1カ月で5万円~ぐらいで、50~60万円くらいの装置をレンタルできます。比較的人気で。1カ月間だけで、年間で使い倒すとか、そういう用途では使いやすいのかなと思いますね。

3Dプリンターで目に見えない時間を形象化し、実空間に展開する。アーティストの後藤 映則様に3Dプリンターを利用した作品の事例をご紹介頂きました。

後藤様:
そうですよね。大学だと、卒業制作とか課題提出があって。ずっとは要らないけど、今だけ必要な時とかすごく役立ちそうな感じですね。

川岸:
はい。是非是非、使ってやってください。

後藤様:
ちょっとオススメしてみようかな。知らなかったです。

川岸:
そろそろお時間なので、最後に幾つかお伺いさせて頂きますね。

DMM.makeの3Dプリンター 出力サービスに対して、今後、期待して頂けるようなことがあれば、一言頂ければと思うのですが。

— DMM.makeの3Dプリンター 出力サービスに対して、今後期待していることはなんでしょう?

後藤様:
色々あるんですけど。(笑)

一つは、やっぱりコスト。値段が下がるとすごくいいなとは思いますね。

今、大学にいて思うんですけど、学生も高精度のプリンターを使えれば、もっと自分のやりたいことや高度なことに挑戦できると思います。彼らはまだ、費用的な面でハードルが高いので、その辺の意味でどんどん敷居が下がるとか。

もしくは学生限定のプログラムとか、そういうのがあるとより広がっていって、いいなっていう感じがしますね。

川岸:
学割を検討した事があったんですけど、今でも検討中なんですけど。

リサイクル材を100%使って、普段出しているモノよりはちょっと精度は下がりますが、形状確認とかには使えるモノが作れるんですよね。

後藤様:
それでも、安いプリンターよりは精度は高そうですよね。

やっぱり、ちゃんとした精度がどのくらいかを知っておくのが大事だし。今の3Dプリントの最先端って、これぐらい出来るんだというのを、学生の早い時期にわかると色々と応用出来そうな感じがするので。

そういうサービスがあるといいなって思ってました。

川岸:
はい。ありがとうございます。

後藤様:
あとは、基本、プリント物が届いたら終わりという関係なのですけど、そうではなくて色んなモノを作る時に、その制作物に対してのアドバイスをもらえたり、相談できるなど。

例えば紫外線に弱かったりする素材もあったりするじゃないですか。そこでUVスプレーを吹けば、実は劣化しにくいとか、そういう些細な情報も分からなかったので。

3Dプリンターで目に見えない時間を形象化し、実空間に展開する。アーティストの後藤 映則様に3Dプリンターを利用した作品の事例をご紹介頂きました。

制作の初期段階から、素材や方法など技術的な相談に乗ってもらえるような仕組みがあったり。プロフェッショナルのオペレーターが常駐している仕組みとかですかね。そういうのがあると、とても有り難いですよね。

また、3Dのデータの修正もすごく大変なので、バックアップじゃないですけど、一緒になってサポートしてくれる人というか、パートナーとなってくれる人がいると、より頼みやすくなりますね。

やっぱり、3Dプリントって、まだまだ難しいというイメージがあるので、もっとその敷居を下げられるような。

そんなサービスがあると、より良いんじゃないかと思いますね。

川岸:
ありがとうございます。パッと解決策は思い浮かばなかったけど。(笑)

村上:
結構、永遠のテーマだよね。

川岸:
教育に絡んでくる部分になっていて、結構、技術要件も深かったりするじゃないですか。

パッと出来るって思われがちなんですけど、意外にパッと出来なかったりとか。逆にデータも、そんなにパッと作れるモノじゃないですし。

製造のハードルを下げはしたんですけど、データ制作から製造までがシームレスになったわけでもなかったりするんですよね。そこの難しさというのは、今でも感じていますね。

ただ、学割の値下げの部分に関しては、1年半前ぐらいから検討している状況で、100%リサイクル材を使って、非常に安く供給できそうな状況になってはいるんですね。

今、自社製品展開も検討していて、そのリサイクル材100%で自社製品を幾つか作り始めているんですけど、それを水平展開する形でお客様にも使ってもらえる環境が提供出来ればなと思っています。

一番最初に、精度は担保出来ないというところがどうしても条件に入ってきちゃうので。学生の方に学割ベースでしか出せないかな、みたいな話はしている状況なんですよね。

でも、運営的に上手くいくようであれば、後藤様にも是非紹介させて頂きますので、学生の方にも是非、使ってもらってください。

後藤様:
是非。色々と可能性が広がりそうなので、将来的に出来るといいですよね。

今後の展開

川岸:
はい。じゃあ、ラストを後藤様の方に締めて頂ければと思うんですけど。今、やっている事とか、自己PRを頂けると・・・。(笑)

後藤様:
いや、別に自己PRは・・・。(笑)

引き続きお願いします、ということで。(笑)

あと、非常に助かってます。もちろんお願いしたプリント物が届くということもそうですけど、こうやって相談出来るとか、実はめっちゃ有り難いんですよね。

自己PRは・・・乞うご期待という感じで。(笑)

川岸:
待っています。

後藤様:
期待させていて、何もないというのもありますけど。(笑)

川岸:
コロナの影響で水物的な部分がありますからね。

後藤様:
そうですね。本当に早く落ち着いてくれればいいなと思いますね。

川岸、村上:
ありがとうございます。

後藤様:
1時間、あっという間ですね。(笑)

川岸:
本日はありがとうございました。

後藤様:
こちらこそ、ありがとうございました。

川岸:
引き続き宜しくお願いします。

後藤様:
引き続き宜しくお願いします。

また、お願いするモノがあると思うので。

川岸:
わかりました。お待ちしております。(笑)

村上:
有り難いです。

後藤様:
宜しくお願いします。

川岸、村上:
では、失礼します。



今回のケースでは3Dプリンターを利用して、目に見えない時間を形象化するなど、多岐に渡るアート作品の事例をご紹介頂きました。

マスプロダクションサービスでは試作品造形・検証から最終製品の量産、そしてプリンターの導入まで企業様をサポートするサービスをご提案させていただきます。

3Dプリンターの導入についてなどご質問・ご要望がございましたらお気軽にお問い合わせください。