3Dプリンターで目に見えない時間を形象化し、実空間に展開する。アーティストの後藤 映則様に3Dプリンターを利用した作品の事例をご紹介頂きました。

後藤 映則 ( AKINORI GOTO )​

https://www.akinorigoto.com/

プロフィール

3Dプリンターで目に見えない時間を形象化し、実空間に展開する。アーティストの後藤 映則様に3Dプリンターを利用した作品の事例をご紹介頂きました。
Photo by Bunpei Kimura

後藤 映則 ( AKINORI GOTO )​
1984年岐阜県生まれ。アーティスト、武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科専任講師。古くから存在する手法やメディアと現代のテクノロジーを掛け合わせ、目に見えない事象や関係を捉える造形制作やインスタレーションを行う。近年の主な展覧会に、2020年「高松コンテンポラリーアート・アニュアル vol.09 時どきどき想像」高松市美術館(香川)、2019年「オープン・スペース 2019 別の見方で」ICC(東京)、2019年「Ars Electronica Festival 2019」POST CITY(リンツ・オーストリア)など。

川岸 孝輔(かわぎし こうすけ)
DMM.make 3Dプリント部門部長。メーカーで製品企画から外装設計、電子回路設計、コーディングとマルチエンジニアとして勤務し、数々の商品を世に送り出した経歴をもつ。3Dプリントを利用した設計製造に新たな可能性を感じDMMに入社しシニアエンジニアを務めた後にサービスデザインの統括責任者となる。

DMM.make3Dプリント事業部 村上

村上亜香子(むらかみ あかね)
DMM.make
DMMに入社後、製品企画とサービス企画の両面を担当し、現在はアライアンスパートナーとの仕組みづくりにも注力している。立ち上げたサービスの中には3Dニットマスクや.make qualiaなどがある。

動きと強い関係にある時間。それを形に。

川岸:
どうも、ご無沙汰しております。以前、話をさせて頂いた時には、まだ大学で講師をやられる前だったと思うんで、だいぶ時間が経っているかなと思いますけど。

後藤様:
そうですよね。もう2年ぐらいですかね。

川岸:
最近、調子はどうですか?

後藤様:
やはり新型コロナの影響を大きく受けてしまい、海外の展示関係は軒並み中止になってしまいましたね・・・。色々やる予定だったの残念ではありますが、やれることをやっていこうと思ってます。大学では、対面での授業が難しくなった時期にオンラインでの授業対応を話し合ったり、考えたりしてました。あとは、地元の岐阜の制作拠点を整理したりなどですかね。

川岸:
ですよね。では、ここからインタビューという格好にさせて頂ければと思います。

後藤様:
はい、よろしくお願いします。

川岸:
色々と作品を作って頂いていて、どういう使い方をしているかとかをざっくばらんにお聞きできたらなと思っています。

後藤様:
なるほど、分かりました。

川岸:
宜しくお願いします。
まず、後藤様がどういったことをされているかという事をお聞かせ頂けますか?

— どのような活動をされているかお聞かせください。

後藤様:
今は、作家として作品を作っているのと同時に、大学で専任の教員をやっています。大学はまだ2年目なのですが、自分自身もいろいろと学びながら授業をしています。

展示は、コロナ前は海外なども結構あったので、ヨーロッパ中心に年に何回か展示に行っていました。今は海外に行けないので国内中心という感じですね。海外に作品だけ送って、リモートで組み立て展示する案件もあったりはします。

3Dプリンターで目に見えない時間を形象化し、実空間に展開する。アーティストの後藤 映則様に3Dプリンターを利用した作品の事例をご紹介頂きました。
©︎AKINORI GOTO

川岸:
今、日本国内でも、やっぱりコロナの影響があるじゃないですか。国内での作品の展示に影響が出たりしていますか?

後藤様:
そうですね、例えば入場制限があったり、そもそも外出自粛で人があまり来られないとか。やっぱり展示したら来てほしいのですが、それを積極的に「ぜひ来てください!」とは宣伝しにくいような・・・。

川岸:
自粛、自粛で?

後藤様:
気軽に来てって言えない、なんとも難しい状況だなという感じはありますね。

川岸:
後藤様の作品は光が動く、時間と光との融合みたいなところがあって、映像に残しやすいというか。映像で見て頂くモノ、ヒト達とかが、映像に残ったモノだけでも楽しめるモノが結構多いと思うんですよね。

3Dプリンターで目に見えない時間を形象化し、実空間に展開する。アーティストの後藤 映則様に3Dプリンターを利用した作品の事例をご紹介頂きました。
©︎AKINORI GOTO

だから、そういう面では普通の絵画とかよりも、後藤さんの作品は見てもらいやすいモノではあるのかなと思っています。

後藤様:
そうですね。確かに映像など、オンラインでも鑑賞できるとは思います。

でも、やっぱり実物は、映像とはかなり違う印象だったり、空間を伴うというか、身体性を伴う体験を意識している部分もあったりするので。そういう意味で、実際に来てもらえると、いいなとは思いますね。

そもそも、昔は画面の中で完結する表現、映像などをやっていたんですけど、それをどうにかして画面の中から取り出して、実世界で展開できないかと考えてました。

その時に、まさに3Dプリンターというものを使用すれば、自分のやりたいことを展開出来るかもしれないと思って、それで色々お願いしていたという経緯になりますね。

川岸:
なるほど。

あと、せっかく画面の中の世界から物理の世界にブリッジ出来るようになったのに、またCGの世界に戻っちゃったみたいな事が、コロナの影響であったりしますか?

後藤様:
オンライン展開のお話もあったりして、どのような形式で、どのような可能性があるかは考えたりしました。これまでは、オンラインだけで完結というのは想像していなかったですが、周りを見ていても需要は増えてきている感じはしますね。

川岸:
VR(Virtual Reality/人工現実感/仮想現実)やAR(Augmented Reality/拡張現実感/強化現実/増強現実)など、CG上の作品として残す事が出来るのであれば、物理とVRとか、モノで作ったモノとARの掛け合わせみたいなモノが、今後、後藤様の作品の中には出てくるかもしれないという事なのですね。

後藤様:
そうですね。まだそこまでは考えてはいないですけど、今後の展開の一つとして可能性がありそうだなという感じはしますね。

— 3Dプリンター導入前はどのような作品を作られていましたか?

川岸:
実際に3Dプリンターを使われる前に、映像作品を作られていたと思うのですが、物理的な作品は作っていなかったのですか?

後藤様:
コマ撮りの映像作品なども作っていましたが、先ほども少しお話した通り、それをいかに取り出すか、3次元、実世界で展開するような事を考えていたので、そういう意味で物理的、身体的な体験をする作品は作っていましたね。

川岸:
なるほど。例えばどのようなものでしょうか?

後藤様:
そうですね。学生時代に作った作品なのですが、説明が凄く難しいんですけど。(笑)

映像が空間に浮かんで見えるような仕組み、デバイスを自分で構成して、インタラクティブに操作が出来る、映像表現の拡張装置のような。寝転がって鑑賞するものでした。

そのような作品をインスタレーションとして作っていた事があります。

川岸:
今、作られている「toki-」にまつわるシリーズの作品は、どうしてあの作品群をどんどん作っていこうという考えになったんですか?

3Dプリンターで目に見えない時間を形象化し、実空間に展開する。アーティストの後藤 映則様に3Dプリンターを利用した作品の事例をご紹介頂きました。
©︎AKINORI GOTO
https://www.akinorigoto.com/toki-walk

動きと時間の関係を起点に生まれた作品。

後藤様:
元々、映像が好きだったりするのも、「動く」という事がすごく気になるというか動くって何だろうなという事はずっと考えていました。強い関係にあるのは何だろうと考えた時に「時間」というものがあって。

時間そのものは目に見えないですよね。人間が生み出した概念であるとか、存在しないとか。いろいろな考えがありますが、まずは自分なりの方法で捉えてみて、そこから分かることや、見えてくることがあるのではないかと。その時に3Dプリントという技術に注目して、動きから部分的に時間というものをプリントできるんじゃないかと考えました。

それでいろいろ展開しているという感じです。中には3Dプリンターを敢えて使用しない作品もあったりしますね。まだ完結している訳ではなく、今も考えたり手を動かしたりしながら探求しています。

— DMM.makeの3Dプリンター 出力サービスをご利用して頂き、いかがでしょうか?

川岸:
ありがとうございます。DMM.makeの3Dプリンター 出力サービスと他のサービスと比較した事はありますか?

後藤様:
実は、他社様も、結構使わせては頂いていたのですよ。(笑)

川岸:
なるほど、なるほど。(笑)



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