株式会社隈研吾建築都市設計事務所

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隈研吾建築事務所の松長様、寺澤様にインタビューを行いました。隈研吾建築事務所様は石膏タイプの3Dプリンターを導入していたのですが、対応できない複雑な造形にも実は潜在的な需要があり、学生のアルバイトやインターン生の力を借り、時間と手間をかけて作っていた背景がありました。それらを解決する為にDMM.makeにご相談頂きました。

プロフィール

株式会社隈研吾建築都市設計事務所 松長 知宏 (まつなが ともひろ)

松長 知宏 (まつなが ともひろ)
CG・3Dチーム設計室長。6年間の金融機関での勤務の後、2012年より隈研吾建築都市設計事務所に入社。主に3D技術を活用したヴィジュアライゼーション、モデリングおよびデザインのサポートを行う。一級建築士。

株式会社隈研吾建築都市設計事務所 寺澤 剛 (てらさわ ごう)

寺澤 剛 (てらさわ ごう)
模型チーム主任技師。模型製作への拘りが高じて独自に建築模型制作スタジオ立ち上げ、2016年隈研吾建築都市設計事務所模型チーム発足に伴い入社。デジタルファブリケーションを活用し多様化する建築の模型表現へのサポートを行うとともに模型アーカイブ形成に力を入れている。

DMM.make 3Dプリント 川岸 孝輔(かわぎし こうすけ)

川岸 孝輔(かわぎし こうすけ)
DMM.make 3Dプリント部門部長。メーカーで製品企画から外装設計、電子回路設計、コーディングとマルチエンジニアとして勤務し、数々の商品を世に送り出した経歴をもつ。3Dプリントを利用した設計製造に新たな可能性を感じDMMに入社しシニアエンジニアを務めた後にサービスデザインの統括責任者となる。

手作業の業務を簡略化、コスト削減を実現

川岸:
松長様、寺澤様、今回このような時期にインタビューをお受けいただきありがとうございます。では、早速インタビューを開始させて頂きます。

— はじめに弊社のサービスをご活用頂いた目的やどんな課題を感じていたのかを伺えればと思っております。

松長様:
もともとは石膏タイプの3Dプリンターを導入していたのですが、限界を感じていました。

寺澤様:
そうですね、石膏パウダー式の3Dプリンターでしたが対応できない複雑な造形にも実は潜在的な需要がありました。
私たちは細かくて複雑なデザインが多いのにも関わらず精度の高い3Dプリンターがなかったので手作業でなんとか実現可能な方法を検討していました。
学生のアルバイトやインターン生の力を借り、時間と手間をかけて作っていました。

松長様:
それが外注することでハイエンドな3Dプリンターが使えるぞ!となったんですよね。DMMさんに最初にお願いしたのは、HPさんのマルチジェットフュージョンですかね。
あの大きなプロジェクトがきっかけですね。
それ以降ですね、お世話になる機会が増えたのは。

川岸:
御社のダッソー・システムズ様のプロジェクトで手がけられる、構造具材だったので、強度が必要だったんですよね。

松長様:
模型ではないですが、いきなり構造体そのものを出力しないといけないというニーズがでてきて、悩んでいたところでした。
DMMさんにお願いすれば、普通じゃ使えない素材や、なかなか導入できないような大型機を使えるということを知って、飛びつきました。
加えて、プロの方の技術の管理の元で使わせていただけるという事で安心してお願いできました。

一度思い切って外注してみたら、なにも全てを自前でやらなくてもいいのではないかと気が付いたのです。ちゃんと作ってもらえる上に、相談に乗ってもらえることで、外注とはいえ我々にも必要なノウハウは残ることもわかりましたし。
石膏タイプのプリンターは、模型チームのスタッフをみているとメンテナンスも含めて本当に負担をかけてしまっている印象があったので。

川岸:
なるほど!
ちなみに、今は石膏のプリンターは使われていないんですか?

寺澤様:
いえ、少ないですがいまも、ときどき使っていますね!

川岸:
そうなんですね!弊社でもなんだかんだ、まだ稼働してますよ!
もし需要があれば、大きいサイズの石膏プリンターもあるので大きなサイズの需要があれば、是非ご利用頂きたいと思います!笑

あと、最近はインクジェットのタイプのカラープリンターもあります。
先日テストでご利用いただいたものがあったと思いますが家のモデルをつくると凄くキレイに出来ましたので、それも今後トライしてくれるとおもしろいかと思います!

松長様:
カラーってプレゼン用模型に使ったことはありますか?

寺澤様:
カラーはないですね。どちらかというと、透明とかのほうが面白そうです。

川岸:
以前透明を利用頂いたかと思いますが、やはり透明も難しくてその時は分割で作ったものを貼り合わせて頂きました。

松長様:
あと、堅さの違うものが作れるプリンターもありましたよね?
あれもどこかで一度試したいなと思っています。
それは建築模型というよりは、プロダクトよりの話かもしれないですが。特殊な性質を利用して、何か面白いものを作りたいなと思っています。

— 課題を解決するのにどんな検討を社内で実施したのかも気になってましたが最初は3Dプリンターを自社で運用を検討されていたって事ですよね?

松長様:
自社ですね。外注ってものすごく高い印象がありました。
どこいってもめちゃくちゃ高くて、結局あきらめざるを得ないということが多かったかもしれません。

寺澤様:
そういうイメージありましたね。笑

松長様:
そこにきて、DMMさんに話をもらって、いろいろ聞いてみたら意外と、というよりビックリするくらい安かったのでこれは・・・!ってなりましたね。

— 今後ニーズがあるとしたら、どういったプリンターになりますか?

寺澤様:
大きいもの、フェード[2] が細いもの、薄いもの など 得意なもの の需要があるんじゃないですかね。

川岸:
アクリル系の材料で、すごく細かいものも作れはするのですが色が半透明だったり、少し限定的になってしまいますがそういったものでしたら、今後ベータでサービスを開始しようと思っているのですが今までアクリルって大きなものは作れなかったのですが、それが解決するようになります。
なので、そういったものを建築模型に利用できるのではないかと思います。

松長様:
それは、よさそうですね!
細かくて大きいものってすごくニーズあります。
うちの模型は大体細くなります。

寺澤様:
細いものばかりで折れそうです。
それと、展覧会とかで利用する際、特に海外輸送する際は熱でやわらかくなって曲がってしまう事があるんですよね。
それに耐えられるものが、事前にわかるとうれしいですね。

川岸:
なるほど!
耐熱の部分が、情報として事前にあるといいって事ですね。

松長様、寺澤様:
そうですね。

川岸:
どういうシーンで、どんな利用ができるのかというような情報のとりまとめがまだまだ、弊社は弱い部分になるので、今後ユースケースも含めてサービスを拡充していこうと思います。貴重なご意見ありがとう御座います。

— DMMのサービスを利用する決断をされた理由をお伺い出来ればと思いますがいかがでしょうか?

松長様:
やはり・・・信頼感ですかね。笑

寺澤様:
たしかに、そうですね。笑
更に、僕から3つあげるとしたら
低コスト
素材バリエーションがたくさんある
相談できる担当者がいる
という3つでしょうか。

松長様:
キレイにまとまりましたね。笑

寺澤様:
相談できる方がいるのはすごくよくて、顔がみえるので細かい要望を話しやすいですしそういう相談に乗ってくれるというのは、信頼感が増しますね。

松長様:
分割のしかた、どこでジョイントするのか相談できるのは心強いですね。

川岸:
相談の中で、要望などはありますか?
例えば、新しい機械が導入されるのであれば、事前に共有させていただくとか。

松長様、寺澤様:
そういった情報は、どんどん頂きたいですね!

寺澤様:
新しい情報があれば、新しい利用のしかたも、どんどんアイデアが浮かびますからね。

— モノづくり業界に対してお2人が期待している事はありますか?

松長様:
建築に限って言えば、作り方や組み立て方に興味があるのでいろんな素材が利用できるようになるとか、いろんなスケールであったり、堅さ、重さの素材を試せるようになるといいですね。

寺澤様:
古い素材の新しい使い方
現代の技術と職人の技術の融合を考える事が多いので、そういった部分がもっと発展してくるといいですね。

川岸:
テクノロジーと伝統工芸のシナジーの部分ですね。
たしかに仰る通りですね。

— 最後に、DMM.make 3Dプリンター事業に対して期待している事など何なりとお申しつけください。

松長様:
やっぱり、新しい素材などチャレンジしたいですね。
個人や中小企業で導入するにはコスト的に厳しい機種だと、普通はあきらめざるを得ないですよね。
そんな我々が、新しいテクノロジーを試せるフィールドがあるというは凄く大事な事だと思うので、それを是非続けていっていただけたらと思っています。

寺澤様:
過去にコストの問題で出来ない事があったのですが3Dプリンターを活用して建築プロジェクトに直接活用できるようになると、面白いなと思いました。
それに絡んで全体的にコストがさがるといいなと思っております。笑

川岸:
コストの部分は、モノづくりにおいて大きな部分ですから利用量が多くなると、コストは下げる事ができますし僕らのサービスが拡張すれば、お客様へ安く供給できるようになります。
他にも、より早く作る事ですね。今だと生産のスピードが遅いので材料使用量が少なくて、結果として材料費が高くなってしまうんですよね。
もともと、ペレット材や射出成形で使っていたものをそのまま3Dプリントで使える装置も出てきておりますのでそういったものを活用する事で、コストを下げる事ができるかなと思っておりますがいずれにしても、今後頑張っていきたいと思います。

松長様、寺澤様:
楽しみにしています。笑



今回インタビューをさせて頂き、コスト削減にご期待頂き、3Dプリンターを外注頂いたという事でした。
今回のケースではうまくコスト削減に繋げる事ができました。コスト面についてはご指摘頂いたように、物量との兼ね合いもありますが弊社側も少しでも安く提供できるように、対応を行ってまいります。

3Dプリンターの導入についてなどご質問・ご要望がございましたらお気軽にお問い合わせください。