東芝インフラシステムズ株式会社

3Dプリンターを利用した生体認証IoT機器の超小型「BISCADEデバイス」の開発事例

指紋認証、生体認証などの画期的なデバイスを開発中の東芝インフラシステムズ株式会社、新井様、土元様にお話を伺いました。新しい先端技術と人々の生活を結び付ける事を目指している「トリリオンノード研究会」の中で、生体認証などの機能を追加していく事を担当しています。切削加工が中心だった工法から3Dプリントサービスを利用した事で、それまでにないスピード感とよりアクティブな開発を可能とした事例をご紹介致します。

プロフィール

3Dプリンターを利用した生体認証IoT機器の超小型「BISCADEデバイス」の開発事例

新井 英朗(あらい ひであき)
東芝インフラシステムズ株式会社
カード・セキュリティシステム部 カード開発担当

3Dプリンターを利用した生体認証IoT機器の超小型「BISCADEデバイス」の開発事例

土元 祐二(つちもと ゆうじ)
東芝インフラシステムズ株式会社
カード・セキュリティシステム部 カード開発担当

川岸 孝輔(かわぎし こうすけ)
DMM.make 3Dプリント部門部長。メーカーで製品企画から外装設計、電子回路設計、コーディングとマルチエンジニアとして勤務し、数々の商品を世に送り出した経歴をもつ。3Dプリントを利用した設計製造に新たな可能性を感じDMMに入社しシニアエンジニアを務めた後にサービスデザインの統括責任者となる。

DMM.make 3Dプリント 筧 春輝(かけひ はるき)

筧 春輝(かけひ はるき)
DMM.make 3Dプリント事業部 チーフモデラー。 大学卒業後DMMに入社し、3Dプリントサービス発足初期よりメンバーとして携わる。 現在は3Dプリント技術のマルチエンジニアとして、各種3Dプリンターのオペレーションをはじめ、3Dプリントのコンサルティングや3Dデータ作成などの業務に従事。

東芝インフラシステムズ株式会社

安心・安全なIoT実現に向けた取り組み-確かな本人確認とセキュアIoTシステム-

※この成果は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業の結果得られたものです。

※本インタビュー事例は、エレマテック株式会社様(東証一部)のご協力を頂きました。

無限に存在するIoT機器を繋ぐ活動の力になりたい

川岸:
DMMの川岸と申します。

筧:
同じくDMMの筧と申します。

新井様:
お願いします。私が新井です。こちらが土元です。

土元様:
宜しくお願いします。土元と申します。

筧:
宜しくお願いいたします。

川岸:
本日はお時間頂きまして、ありがとうございます。

— 御社がどのような事業展開をされていますか?

3Dプリンターを利用した生体認証IoT機器の超小型「BISCADEデバイス」の開発事例

新井様:
我々は、通常はクレジットカード等のICモジュールを開発、製造する事業をしています。

3Dプリンターを利用した生体認証IoT機器の超小型「BISCADEデバイス」の開発事例

さらに、最近、高機能なICカード開発を行っておりまして、具体的には、指紋センサーの付いたICカードを開発しています。

3Dプリンターを利用した生体認証IoT機器の超小型「BISCADEデバイス」の開発事例

また、指紋センサーが付いたICカードに加えて、今後はカードだけではなくて、セキュリティーに関連した色々な事をやっていきたいという話が出てきていて。

そこで、カード形状にはこだわらずに、箱形のデバイスを作ろうとしていたのが、今回の事例です。

指紋センサーが付いていて、指紋認証が出来るデバイスを作りました。

3Dプリンターを利用した生体認証IoT機器の超小型「BISCADEデバイス」の開発事例

これを行ったきっかけが、東京大学様の桜井研究室が中心のトリリオンノード研究会です。トリリオンノード研究会は60社近くが色々なIoT機器を企画している研究会になっています。

トリリオンノード研究会

これがトリリオンノード研究会の中で開発したデバイスなんですけれど、BISCADEデバイスという名前で作っていまして。まず、アルファ版という事で試作しました。

3Dプリンターを利用した生体認証IoT機器の超小型「BISCADEデバイス」の開発事例

トリリオンノード研究会がどのような事をしているかというと、trillionはmillion、billionのその上の単位で、1兆個とか、かなりの数量のIoT機器が繋がる社会を実現させる活動をしていて、その中心となっているのが東京大学様の桜井研究室です。

トリリオンノード研究会では、世の中にたくさんあるIoT機器を繋ぐ為にはどうしたらいいかを考えています。我々としては、生体認証などセキュリティの機能を追加していく事を担当していました。

3Dプリンターを利用した生体認証IoT機器の超小型「BISCADEデバイス」の開発事例

何枚かの基板に分かれていて、今回は5枚の基板が重なっている形でして、ネジが止まっているところで各基板の信号ラインを繋げています。

3Dプリンターを利用した生体認証IoT機器の超小型「BISCADEデバイス」の開発事例

ここが共通の形になっていて、各基板それぞれでBluetoothの機能を付けたり、電源の機能を付けたりという事を簡単に足し合わせられるようなデバイスをトリリオンノード研究会で研究開発しています。

3Dプリンターを利用した生体認証IoT機器の超小型「BISCADEデバイス」の開発事例

一番上に指紋センサーが付いている構造でして、最初にアルファ版を作って、その後小型化して、基板面積が半分のサイズのモノを作りました。

筐体についても2度ほど試作をしていて、大きなサイズの筐体を作って、その後小型化した筐体を作るような事をやっていました。

3Dプリンターを利用した生体認証IoT機器の超小型「BISCADEデバイス」の開発事例

川岸:
だいぶ小さいですね。すごい。薄くもなるんですね。

新井様:
LEDのランプが光る白い丸い箇所がありますが、ここがインジケーターになっています。

3Dプリンターを利用した生体認証IoT機器の超小型「BISCADEデバイス」の開発事例

どうやって使うかは、まだ中々決まってはいないんですけれど、カードだとパソコンのログインシステムに使われています。指紋認証で本人を確認したら、パスワード入力をすることなく、パソコンにログイン出来るようなモノです。

指紋認証ICカード「BISCADE™カード」のセキュリティシステムへの採用について

https://www.toshiba.co.jp/infrastructure/news/20200129.htm

カードと違うのは、Bluetoothの機能でスマホ等の端末と、結構な長距離通信が出来ることですね。ICカードだと、接触させるかかなり近距離な通信しか出来ないので。

このように、Bluetoothの機能を付ける事である程度、距離を飛ばして何かしらの端末と通信が出来るようにしたのが、このデバイスです。

3Dプリンターを利用した生体認証IoT機器の超小型「BISCADEデバイス」の開発事例

2回目に作ったモノは、なるべく小さく作ろうという事で、はめ込むような形です。筐体の上下部分をネジで止めるような構造ではなくて、ツメのような構造を成型して、そういうモノでカチャっと、はまるような構造が出来ないかなという思いで作りました。

3Dプリンターを利用した生体認証IoT機器の超小型「BISCADEデバイス」の開発事例

一応、ネジ止めするような構造で、少しサイズ感は大きくなってしまいますが、がっちりネジで止まるような形も平行して試作しました。

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