株式会社the design labo

建築設計・プロダクトデザインを事業とする株式会社 ザ デザインラボの板坂様・五十嵐様にお話しを伺いました。高品質で実直な製品サービスを得意とされています。金型や型枠を作るモノづくりにおいて、時間とコストの短縮や、造形できなかった形を表現するために、DMM.makeにご相談頂きました。

プロフィール

板坂 諭 (いたさか さとし)
株式会社the design labo代表取締役・h220430主宰
1978年生まれ 設計事務所勤務を経て
2010年 平成22年4月30日「h220430」始動
2012年株式会社 the design labo 設立
2014年よりフランスのエルメスと外部デザイナー契約を交わす

五十嵐 淳(いがらし あつし)
1984年生まれ 機械設計会社勤務を経て
2015年5月より株式会社the design laboにて主にプロダクト製品の詳細設計を担当

金型・型枠から3Dプリンターへの工法のシフトチェンジ

DMM.make エンジニア:
いつもご利用頂き、ありがとうございます。 本日は、御社がこれまでDMM.makeの3Dプリンターサービスをどのようご活用されているのか、伺わせて頂きたいと思いますので、宜しくお願いします。 それでは、インタビューをさせて頂きたいと思います。

–3Dプリンターを活用する前はどのようなビジネス課題があったのでしょうか?

板坂様:
当社は、一点モノの、モノづくりをしております。
3Dプリンターが出てくるまでは、型を作りながら、「型代少しでも安くなりませんか?」とか、「型、作ってみたけど、思ったらよりちょっとチープになっちゃったね」とか「もう一度、型を作り替えよう」など、そういう事を繰り返して、モノづくりをしておりました。
御社のような3Dプリンター技術をもった企業が、比較的手の届く値段の中でサービスを展開して下さっていたので、一気に作り方が変わりましたね。

DMM.make エンジニア:
では、それまでは、本当にハンドメイドのような形で、モノを作られていたのですか?

板坂様:
そうなんですよ。
一応、3DのCADデータと、JPEGのキャプチャーデータを造形師の方にお渡ししていましたが、造形師の方はJPEGのキャプチャーデータを見ながら、粘土で型を作っていましたね。
求めているモノとは、ちょっと違う場合もありましたね。
今は、出来上がったモノが悪ければ、CADデータがあるので直せば済むようになりました。 そういうもどかしさは、一気に解消されましたね。

DMM.make エンジニア:
どうしてもここは外せないという箇所は、修正をお願いした事もあるのでしょうか?

板坂様:
ありますよ。もちろん。

DMM.make エンジニア:
でも、手造形になると、時間がかかるのではないでしょうか?

板坂様:
そうなんですよ。時間もお金も。 あとは、粘土の型で出来ない形は出来なかったのですが、3Dプリンターの場合は、サポート材が支えてくれて、粘土の型では出来ない形まで出来てしまいますので、本当に変わりましたね。

DMM.make エンジニア:
今までのやり方と比べると、時間とコストの部分では、結構、変わったのでしょうか?

板坂様:
造形師の方と比べると、コストも時間も半分くらいで、DMM.makeの3Dプリンターサービスの場合、出来てしまいます。 モノにもよりますが、これまでは型を必要としたモノづくりで、型をつくる必要がなくなり圧倒的に、低コストになりましたし早くなりましたね。

建築のモノづくりで3Dプリンターを選ぶ理由

–今、おっしゃられていた課題を解決する際、3Dプリンター以外にでも、切削加工であったり、様々な製造手法がありますが、社内でどのような経緯で、3Dプリンターという結論に至ったのでしょうか?

板坂様:
CADデータ作成とか見積りの面で、DMM.makeの3Dプリンターサービスが魅力的に見えていた面がありますね。
お客様に価格を提示する時にも、他社様だと見積りが来るまで待っていなければならないのですが、DMM.makeの場合、見積りがスピーディーにかつ正確に出るので、お客様のご承認もすぐに頂けますよね。

DMM.make エンジニア:
私も、よく五十嵐様からお見積りのご依頼を頂くのですが、Webアップロードの自動見積りで、ご確認された事などもあるのでしょうか?

板坂様:
そうですね。それをやった上で、相談をさせて頂いております。
あとは、種類ですよね。
他社様は、DMM.makeのように大きな資本で、常に最新の素材や装置をどんどん揃えて、運用していくという事は、難しいでしょうから。
その辺もDMM.makeの3Dプリンターサービスを選ぶ理由にはなりますよね。

DMM.make エンジニア:
ありがとうございます。

–それでは、モノづくりに対して、今後、期待されている事はありますか?

板坂様:
当社は、建築の仕事がメインですので、規模やスケールですよね。
今の限られた台の上でしか出来ないモノではなくて、3Dプリンターの規模がもっと大きくなってくれると、私共の主でやっている事業も、もっと使えるようになるのではと思っています。

DMM.make エンジニア:
セメントの押出成形では、出始めておりますね。

板坂様:
日本は建築の先進国なんですよ。
ビルを3Dプリンターで作るようなプロジェクトに、DMM.makeがジョインなされると面白そうですよね。
世界中のビッグプロジェクトは、日本のゼネコンが入っていますから、そういった所にDMM.makeが、装置をご提供するとか、3Dプリンター出力とか面白そうですよね。 当社は、建築の仕事が多いので、そういった部分を楽しみにしております。

五十嵐様:
今、色々とご依頼させて頂いておりますのは、照明器具のカバーが比較的多いかと思います。 トゲがついているランプも、全て3Dプリンターで出力したモノを使っております。

※株式会社 ザ デザインラボでDMM.make 3Dプリントサービスで部品の一部を制作

DMM.make エンジニア:
そうですね。これは、SLS(粉末焼結積層造形)のナイロンの質感ですね。

五十嵐様:
そうですね。
電球を覆うカバーは丸々、3Dプリンターで出力しているのですが、これだけ3Dプリントが広がってくると、見たときに、「これ、3Dプリントで出力しているな」と見た目でわかってきちゃうんですよね。
積層の部分が見えたりしてしまうと、安っぽく見えてしまいます。
ですので、簡単に、表面処理をもう少し滑らかにしたり、表面を変える事ができれば、より使えるようになるかなと思っています。

DMM.make エンジニア:
表面の処理に関しては、現在は、バレル研磨という形で対応させて頂いているのですが、完全に滑らかな表面にはなりづらい箇所もあり、目下研究中で御座います。
綺麗に仕上げる必要がある場合は、今のところは手磨きになってしまいます。

五十嵐様:
先ほど、お話にあがりましたランプのカバーは、淡い光になり、割といい方向にでてくれましたね。
ですので、使い道次第ですね。

DMM.make エンジニア:
造形された照明ですけれども、大きさが、大きいモノもありますよね?

板坂様:
そうですね。以前、直径1.5の照明のパーツを依頼したことがあります。

※株式会社 ザ デザインラボでDMM.make 3Dプリントサービスで部品の一部を制作


アルミでフレームを組んでいるので、DMM.makeの3Dプリンターサービスにお願いした部分は、ソケットカバーの部分ですね。素材はナイロンですね。
今、吊り下げて2年ぐらい経ちますが。
その時の課題は、屋外から紫外線が注ぐので、老化が進みやすい場所だったんですよ。
一個パーツにヒビが入ったからと言って、簡単には変えられないので、紫外線に強い塗料でコーティングしました。
樹脂の話になるので、難しいかもしれませんが、対候性など素材のほうで対処できればいいなと思っています。

DMM.make エンジニア:
3Dプリンターで作る前は、素材は何で作られていたんでしょうか?

板坂様:
同じデザインのモノがあるのですが、金属の金型、絞りでやっていました。 絞りで作るソケットカバーもあるのですが、重量が課題でした。 細いワイヤーで吊っているので、軽さを求めた結果、細いアルミと樹脂で全体を構成しようと。 ですので、絞りで作ったソケットカバーではなく、DMM.makeの3Dプリンターサービスのソケットカバーを採用した経緯がありますね。

最終製品の精巧さが重要

DMM.make エンジニア:
照明は、商品として明るさも重要だと思うのですが、3Dプリンターで出力されるまでは、実際の明るさは分からない部分がありますよね。
どのくらいの光量なのかな、という面で、CADデータを作成する際に、困ったりする部分はありますか?

板坂様:
当社の商品を扱うのは主に、ギャラリーなんですね。
ギャラリーにお買い求めに来られるお客様は、雰囲気を重要視され、照明器具として買うよりもオブジェとして買って下さっていて、調光もついているのである程度カバーはできています。
今のところ、照度で問題になった事は一度もないですね。

DMM.make エンジニア:
そうなんですね。

–今まで手造形で造形されていたモノよりも、精巧で早いという部分で、3Dプリンターを選ばれているんでしょうか?

板坂様:
そうですね。
粘土で原型を作っていた時は、最終製品の素材はFRP(繊維強化プラスチック)なんですよ。
FRPは不揃いな素材ですから、ムラとして、明るいところもあれば、暗いところもできてしまうんですよ。 ですので、DMM.makeの3Dプリンターサービスのほうが、照明のカバーとして使い勝手の良いモノができます。

※株式会社 ザ デザインラボでDMM.make 3Dプリントサービスで部品の一部を制作


初めから3Dプリンターしかなかった世界であれば、また違った悩みがあったかもしれませんが、前段階のもっとアナログな世界で苦労していましたので、3Dプリンターの世界は革新的ですね。

DMM.make エンジニア:
なるほど。
御社からご注文頂いて、3Dプリンターで出力して、御社にご納品させて頂いておりますが、これまでより、御社のお客様にお届けするビジネスのスピードは、速くなったのでしょうか?

板坂様:
そうですね。倍くらいに早くなりましたね。

信頼関係が高品質なモノを産み出す

–今後のDMM.make 3Dプリントサービスに期待されている事はありますか?

板坂様:
建築で使えるような、セメントを押し出してくれる装置があったらいいなとか、世の中に存在している素材全てに対して出来ればいいなとか思います。

五十嵐様:
当社で使っている素材は、大半がナイロンです。
沢山のパーツをつなぎ合わせて一つの形を創るので、低価格で様々な素材が使えれば嬉しいですね。
例えば、部品を作っていく中で、柔らかい素材を使ってみたいなと思うこともあるのですが、コストが下がってくると、選択肢が増えるので、それはありがたいですね。
DMM.makeの素材のWebサイトを見て、使いたい素材もあります。

DMM.make エンジニア:
例えば、ジェットフュージョンのPA11という素材は、若干、ナイロンより柔らかく、ナイロンに近いコスト感で出力できます。
そういう素材がどんどん増えていけば、ご希望にマッチした素材を取り揃えられると思います。

五十嵐様:
また後日、素材に関して、色々とご相談させて下さい。

DMM.make エンジニア:
はい、是非、宜しくお願いします。

–では、最後に、御社が3Dプリンターを使って取り組んでいらっしゃる事業のご紹介をお願いします。

板坂様:
当社は、建築に合わせた完全オリジナルをご提案できるところが強みですね。
実直で高品質なモノが得意なんですよ。
日本における高品質なモノって、絵が書けたからと言って作れるモノではないんですね。
作ってくれる職人さんとのコネクションとか、信頼関係というのが非常に重要です。
当社は、職人さんとの関係を大切にしています。
実直で高品質なモノをお求めになるお客様には、お応えできるかなと思っております。

DMM.make エンジニア:
和風・洋風、どちらが得意とかあるのでしょうか?

板坂様:
断然、和なんですよ。
和は、やっぱり奥が深いモノですから、海外の方には出来ないと思いますし、ここを強みとしてやっています。

DMM.make エンジニア:
例えば、畳に合う建築デザインのようなイメージでしょうか?

板坂様:
そうなんです。そういったモノが、同世代の建築家の中では、得意なほうだと思います。
畳を3Dプリンターで作れたら凄いですね。
今後も、宜しくお願い致します。


板坂 諭 (いたさか さとし)
株式会社the design labo代表取締役

Award :
2011
中国のメディア Decoration International が主催する Media Awardにて
Annual Original Products Design Awardを授賞


2013
イタリアのA’Design AwardにてBaby,Kids and Children’s Products
Design Category 銀賞授賞


2015
イタリアのA Design AwardにてLighting Products and Lighting
Projects Design Category銀賞授賞


Collection :
2012
Mushroom Lampがサンフランシスコ近代美術館(SF_MoMA)に収蔵される


2016
Schwarzwald StoolがドイツThe Badisches Landesmuseumに収蔵される


Exhibitions :
2010
DESIGNTIDE TOKYO TIDE Extension “h220430 – Opportunity”(東京)


2011
SHUSHU OPENING EXHIBITION(ドイツ・ミュンヘン)
Gallery SOMEWHERE “SOME NEW WARES(” 東京)
清州国際工芸ビエンナーレ招待展示(韓国・清洲)


2012
B GALLERY EXHIBITION “Place of The Rising Sun”( 東京)


2013
Any Tokyo(東京)


2014
MILAN VENTURA LAMBRATE(イタリア・ミラノ)
Any Tokyo Exhibition(東京)


2015
Any Tokyo Exhibition(東京)


2016
5 vie “MEET MY PROJECT” in Milano Design Week (イタリア・ミラノ )
Chamber NY “Progressland” (アメリカ・ニューヨーク)


2017
“Pray” in Gallery Wa2(東京)
“AMARANTH-do you need dyeing?” DESIGNART in District UNITED
ARROWS(東京)
“TORII” Hacked Art Basel Miami(アメリカ・マイアミ)


2018
“Afterimage” DESIGNART in FRED PERRY(東京)


2019
“AI Mural” Media Ambition Tokyo( 東京)
“Design Pier” DESIGNART( 東京)




今回のケースでは、従来の金型・型枠の工法から3Dプリンターによる造形に変えた事で、これまで出来なかったモノの造形や、ビジネスのスピードを上げることができた事例をご紹介頂きました。 マスプロダクションサービスでは試作品造形・検証から最終製品の量産、そしてプリンターの導入まで企業様をサポートするサービスをご提案させていただきます。 3Dプリンターの導入についてなどご質問・ご要望がございましたらお気軽にお問い合わせください。

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